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AIを使える社員は増えた。では、判断できる管理職は育っていますか?

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AIを使える社員は増えた。

では、判断できる管理職は育っていますか?

生成AIの普及によって、情報収集、資料作成、データ分析などは、以前よりも効率的に行えるようになりました。

しかし、企業にとって、もう一つ考えなければならない問題があります。それは、AIを使いこなすことと、仕事で適切な判断ができることは別であるということです。

1.AIを使えることと、判断できることは違う

AIを活用すれば、必要な情報を短時間で集めたり、データを分析したり、複数の選択肢を比較したりすることができます。

しかし、AIが提示した情報や分析結果を、そのまま採用してよいとは限りません。

例えば、管理職の仕事では、次のような場面があります。

  • AIが提示した分析結果を、正しく評価できるか。
  • 目の前の問題の本質を見抜けるか。
  • 複数の選択肢から、何を基準に判断するか。
  • 部下の状況を把握し、適切な指示や育成ができるか。

AIは、判断するための材料や選択肢を提示してくれます。

しかし、その情報が正しいのか、自社の状況に適しているのか、何を優先すべきなのかを考える必要があります。

AIが答えを提示しても、その答えを採用するかどうかを判断するのは人間です。

だからこそ、AIの操作方法を習得することと並行して、人間の思考力や判断力を高めることが重要になります。

2.AI時代の人材育成に関する調査結果

この問題を考えるうえで、興味深い調査結果があります。

2026年10月29日、SMBCコンサルティング株式会社が「2026年働く人の学びに関する調査」の結果を公表しました。

SMBCビジネスセミナー「みんなの研修」の受講者を対象に、仕事での生成AIの利用状況や、仕事に必要な知識・スキルの学び方などを調査したもので、3,706件の回答が集計されています。

主な結果は次のとおりです。

調査結果�@ 仕事での生成AI利用

69.4%

仕事で生成AIを「ほぼ毎日」または「週に数回程度」利用している人の割合。

有効回答数:3,646件

仕事で生成AIを利用する人は約7割に達しています。AIが一部の人だけの特別なツールではなく、日常の仕事に浸透しつつあることがうかがえます。

さらに注目したいのは、学ぶ内容によって、適していると考えられる学習方法が異なっていたことです。

調査結果�A 判断力・意思決定力

73.8%

判断力・意思決定力の学習において、「対人・対面」の学習方法を選んだ割合。

対面型研修、上司・同僚、社外の専門家の3つを合計した調査上の分類です。

調査結果�B マネジメント・部下育成

81.4%

マネジメント・部下育成の学習において、「対人・対面」の学習方法を選んだ割合。

対面型研修、上司・同僚、社外の専門家の3つを合計した調査上の分類です。

この結果から、基礎知識の習得では生成AIが活用される一方、判断力や意思決定力、マネジメント・部下育成については、人と関わりながら学ぶ方法が多く選ばれていることが分かります。

さらに、仕事で生成AIを週数回以上利用している人だけを対象にした分析でも、判断力・意思決定力では72.4%、マネジメント・部下育成では81.5%が対人・対面の学習方法を選択しています。

つまり、日常的にAIを使っている人たちの間でも、判断やマネジメントについては、人との学び合いが重視されているという結果です。

なお、この調査はSMBCビジネスセミナーの対面型セミナー受講者を対象としたもので、全国の就業者全体を代表する調査ではありません。また、実際の学習効果を比較したものではなく、適していると思う学習方法についての回答です。

出典: SMBCコンサルティング「2026年働く人の学びに関する調査」(2026年10月29日公表)

3.AI時代に管理職に求められる3つの能力

今回の調査結果を踏まえると、企業の人材育成では、AIの操作方法を教えるだけでは不十分だと考えられます。

特に管理職には、AIを活用しながら、組織として適切な判断を行い、成果につなげる能力が求められます。

私は、次の3つの能力が重要になると考えています。

�@ 問題を発見する力

何が本当の問題なのかを見極める能力です。

例えば、売上が低下している場合、単純に営業活動の不足と考えてよいのでしょうか。

顧客ニーズの変化、商品やサービスの競争力、営業プロセス、組織体制など、背景にはさまざまな要因が考えられます。

目の前の現象だけで判断せず、何が本当に解決すべき問題なのかを捉える必要があります。

AIに分析を依頼する前に、そもそも何を問題として捉えるのかを考える力です。

�A 判断する力

目的や状況に応じて、適切な選択肢を選ぶ能力です。

AIは複数の解決策や、それぞれのメリット・デメリットを提示できます。

しかし、どの選択肢を採用するのかは、目的や優先順位、組織の状況などによって変わります。

短期的な成果を優先するのか、長期的な成長を重視するのか。コストを優先するのか、品質や顧客満足度を重視するのか。

何を基準に判断するのかを明確にし、選択した理由を説明できることが重要です。

�B 人を動かす力

自分で考え、周囲と協力し、組織として成果につなげる能力です。

管理職の仕事は、単に業務を管理したり、指示を出したりすることだけではありません。

部下の状況を把握し、能力や経験に応じて支援し、自ら考えて行動できるように育成することも重要な役割です。

AIを活用して業務を効率化できたとしても、社員同士の信頼関係を築き、チームとして成果を生み出すことまで自動的に実現できるわけではありません。

管理職には、人と向き合い、対話し、組織を動かす力が求められます。

4.これからの管理職研修は何を変えるべきか

これまでの管理職研修では、マネジメントの基本、部下への指導方法、目標管理、問題解決など、管理職に必要な知識やスキルを学ぶことが中心でした。

これらは、今後も重要な学習テーマです。

しかし、AIが情報収集や分析を支援する時代には、知識を覚えるだけでなく、実際の仕事の中で考え、判断し、人を動かす経験が一層重要になります。

例えば、管理職研修では、次のような学習を取り入れることが考えられます。

  • AIが提示した分析結果の妥当性を検証する。
  • 実際の職場の問題を取り上げ、本質的な課題を考える。
  • 複数の選択肢を比較し、判断基準を明確にする。
  • 部下の状況を想定し、指示や育成の方法を検討する。
  • 自分の判断の根拠を説明し、他者と意見を交わす。

知識を学ぶだけでなく、実際の職場を想定して考え、話し合い、判断する。

そして、研修後に現場で実践し、上司や周囲と振り返る機会を設けることも重要です。

AI時代の管理職研修では、AIを使う能力と、AIを活用して適切に判断する能力の両方を育成する必要があります。

5.AI活用と管理職の能力開発を並行して進める

AIを導入すれば、すぐに組織全体の生産性が高まるとは限りません。

AIを活用して得られた情報をどう評価するのか。何を問題として捉えるのか。どのような判断を行い、誰が実行するのか。

こうした一連のプロセスを担うのは、現場の社員や管理職です。

だからこそ、企業の人材育成では、AI活用の推進と同時に、人間の思考力、問題発見力、意思決定力、マネジメント能力を高めることが重要になります。

AIを使える社員を増やすことだけでなく、AIから得られた情報を活用して、組織として適切な判断ができる管理職を育てる。

AI活用を推進するなら、同時に管理職の判断力も育てる。

これからの企業の人材育成では、この両方を考えていく必要があるのではないでしょうか。

6.ビジクルの管理職研修・思考力研修

株式会社ビジクルでは、企業・自治体向けに、管理職研修、思考力研修、問題解決研修、意思決定に関する研修などを提供しています。

研修では、知識や手法を伝えるだけでなく、受講者自身が問いを立て、考え、意見を交わし、判断することを重視しています。

特に、次のような課題を抱える企業様に向けて、研修をご提案しています。

  • AIを導入したが、社員の判断力や問題解決力に課題がある。
  • 管理職が自分で考えて判断する力を高めたい。
  • 部下育成やマネジメントの質を向上させたい。
  • 会議で適切な問題設定や意思決定ができる組織にしたい。
  • 研修で学んだことを、実際の仕事に活かせるようにしたい。

企業の課題や受講対象者に応じて、研修内容や進め方をご提案します。

AIを使える人材の育成と、AIを活用して判断できる管理職の育成。

この両面から、人材育成のあり方を見直してみませんか。

株式会社ビジクル|企業・自治体向け研修

管理職研修、思考力研修、問題解決研修、意思決定研修など、企業や組織の課題に応じた研修を提供しています。

研修内容や実施方法についてのご相談も承っています。

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